ちゃんけいlog

ちゃんけいの1年間アメリカ留学の記録

素朴な妻を保つための祈り

【フランシスコ・ジャム『妻の条件』】

 

いまはあやうい
その日ぐらしの
詩人のくらし
神様それでも
いつかいつか いつの日か


私の妻になる人は
つつましく
たおやかで
何でも話せる
友達みたいな親密さを
合わせもち


私の妻になる人は
夜になればシーツの上
そっと手を取り
胸の間にペンダント
ゆれてかくれて
ふたりおんなじ夢を見る


私の妻になる人は
夏の木陰に眠っている
もものようになめらかで
まっしろな肌
ほほをよせれば
香水いらずの あの香り


私の妻になる人は
いつも心に純潔を保ち(どうか死ぬまで)
いつも心に純潔を保ち(他の男に目もくれず)
いつも心に純潔を保ち(見つめる瞳は私だけ)
いつも心に純潔を保ち(浮気なんてすることなく)
いつも心に純潔を保ち(浮気だけはすることなく)


私の妻になる人は
花の眠りの番をする
蜜蜂のような
つよさとやさしさ
私が寝息をたてるとき
その魂に寄り添って


私の妻になる人は
私がこの世を去る時に
やさしく瞼を閉じさせて
枕元で指を組み
しずかにしずかに
祈ってくれる


いまはあやうい
その日ぐらしの
詩人のくらし
神様それでも
いつかいつか いつの日か

 

 

※※※

 

ジャムの詩はいつ読んでも美しいものだ。

『三人の乙女たち』は悲しすぎる物語だったけれども

『妻の条件』は違う。

ありきたりな条件なのに、どうしてジャムはこんな美しく描けるのか。

きっとジャムには美しき乙女や女性が見えたのだろうと勝手に解釈している。